日本予防医学会学術総会
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事前登録締切:2024年12月3日(火)正午
当日参加:大会当日に受付にて現金で参加費をお支払い下さい。
懇親会もできるだけ事前登録をお願いいたします。満席になり次第締め切ります。
大会長挨拶
20世紀に花開いた西洋医学は急性疾患や感染症などの原因究明とともに、その治療を可能にしてきました。戦後飛躍的に平均寿命が延びたのも公衆衛生を含んだ西洋医学のおかげでしょう。しかしその反面、生活習慣病などの慢性疾患、原因不明の愁訴や疾患、精神的な要素の関与する疾患、再発性の疾患などについては治療に苦慮する例も少なくありません。加えて個々の体質や体調を考慮した治療はほとんどなされていません。
欧米では西洋医学の欠点を補う補完代替医療(CAM)、さらに西洋医学を含め患者を全人的に治療できる統合医療(IM)が盛んに行われるようになってきています。
わが国では超高齢社会の到来をむかえ、医療費の高騰が問題となっていますが、国民は健康増進への意識が高い方ではなく、健康維持に努めるどころか通常は放置状態で、健康を損なった場合に医療者に依存すればよいといった傾向が強いのが現状です。このままでは日本は破綻してしまいかねないでしょう。わが国以外でも例外ではなく各国政府は医療費の削減の問題に真剣に取り組んでいます。たとえば、米国では健康保険制度がなく、病気になると高額の医療費を自己負担せねばならず、そのため予防医学が発達し、慢性病を完治できない西洋医学に代わるものとしてCAMが積極的に行われています。
残念ながらわが国の医学界や行政はCAM/IMに積極的に取り組んでいません。
IMとは単に西洋医学(通常医療)とCAM(非通常医療)をプラスしたCombinationではありません。IMのIはIntegrationです。「統合医療とは個人の年齢や性別、性格、生活環境さらに個人が人生をどう歩み、どう死んでいくかまで考え、西洋医学、補完代替医療を問わず、あらゆる療法からその個人にあったものを見つけ、提供する受診側主導医療」です。人を幸せにする医療なのです。当然予防医学もその概念に含まれます。
21回目の開催を迎えた本学術総会では、「予防と補完代替医療/統合医療」をテーマとしました。
教育講演では、漢方医学、鍼灸、健康食品、アロマセラピー、キレーション、キネシオロジーなど代表的なCAMをご紹介し、その予防医学への可能性などについても触れていただく所存です。
多くの方にご参加いただいて、IM/CAMを含んだ理想的な医療のあり方をご検討いただきたく存じます。
一般社団法人日本予防医学会理事
第21回日本予防医学会学術総会大会長
神奈川歯科大学大学院統合医療教育センター長
川嶋 朗